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滑川温水プール開設30周年記念

10月14日滑川温水プール開設30周年記念式典がサンアビリティーズ滑川で、関係者多数出席のもと開催されました。
式典は佐藤裕彦理事長の挨拶に次いで、水野市長、尾崎市議会議長の祝辞、私を含めた来賓紹介、続いてプール開設以来30年の永年会員個人と法人及び高齢者の約30名が表彰の栄に浴されました。
短時間ではありましたが厳粛な式典でした。

意外だったのは30年の長きにわたりプールに通い続ける方が30名近くもおられることに正直言って少々驚きました。一口に30年と言っても中々出来ることではありません。
いずれにしてもこの施設が、滑川市並びに周辺地域の人たちの健康増進、体力増強等に大きな役割を果たしていることを改めて再認識をしました。

そこで、本市に現在の室内温水プールが建設された経緯について多少記しておきます。
平成4年頃から市内の水泳関係者を含め、2万人を超える署名を添えて、市当局、市議会に「市営温水プール建設」の陳情が出されました。昭和60年に滑川市総合体育館、平成3年武道館が建設されました。

他市にあって本市に無いのは温水プール。そんな思いが陳情活動に繋がったと思われます。当時はバブル経済の真っ只中、全国各地の自治体が地域活性化の名の下、競うようにハードな施設の建設ラッシュでした。竹下首相の「ふるさと創生」として、全国3300余の自治体に1億円を配ったのもこの時代です。国も地方も多少財政に余裕があった時です。
現在と比較すると実に羨ましい限りです。

しかし、当時の本市は滑川中学校と早月中学校の2校の新築を計画しており、プールの建設費は一時的であるが、問題は年間の維持管理費です。当時の試算では3500万円から4500万円程とされました。2校の中学校新築の大型事業を抱えている中で、果たして本市の財政状況で、毎年これだけの支出に耐ええるのか。これが議論になりました。

そんな時、全国各地で温水プールの運営に携わっていたのが、公益財団法人・体力づくり指導協会{事業本部・東京都江東区大島1丁目2-1}でありました。当時の理事長は日本レスリング協会の笹原正三氏であり、その人脈の中に現在滑川市名誉市民の福田富昭氏、加えてこの様な施設の整備に補助金を出していた宝くじ協会に本市に縁のある方もおられ、この協会に運営を委ねる話が持ち上がりました。

その結果、市内に温水プールがないことも考慮し、準市民プール的な存在とし、幅広く市民に利用できるように要望を付け、土地は無償貸与、建物は体力づくり協会と宝くじ協会の補助金等と市費で建設することとなった。

当時の資料を見ると、
竣工式・施設オープン 平成6年7月6日
建設費総費用 4億4496万円
市の補助 約48% 2億1358万円
市の運営管理補助金 年間1344万円
利用料金 大人 300円
プール 25m×7コース 水深1,2m 室内温水プール。

子供から大人までの水泳教室も開催する。
そして建物は集成材を使用した木造建築物として注目を集めてオープンしました。

また、厚生連滑川病院も準市民病院的な総合病院として、市より補助金がでています。近年では、氷見市民病院が建物の建設費は氷見市が負担し、管理運営は金沢医科大学が行い、温水プール同様補助金を出すものです。
いわゆる官民連携による、公設民営化です。

これによって市営でやるよりも、建設費も年間の維持管理費もかなり軽減されます。そして30年後の今日を見ますと、利用料金・大人300円が450円と値上がりしていますが、年間の管理運営費は1374万円余りと殆ど変化はありません。燃料の灯油は平成6年は1㍑50円は現在では倍以上の価格です。消費税も当時の3%から現在では10%。当然のことながら賃金も、各種の維持費も30年間ではそれなりに値上がりしています。こう考えると利用料金の値上げは止むを得ないと思います。

ただ、施設の大規模修繕や改修などは、過去何度かあり、市はその都度応分の負担はしていますが、これだけ長期間運営管理補助金が据え置かれてきたのは不思議な感じがします。もし、市営プールであったら恐らく相当な金額になっていると思います。各種の水泳教室などの企画を通し、地域の人たちの健康増進、体力増強に果たしている貢献は極めて大きいものがあると思います。

また、競技力の向上も目覚ましいものがあり、昨年当プールを利用している早月中学校男子2年生が全国ジュニア・オリンピック・カップで数種目で金メダルを獲得。同選手は12月オーストラリアのクインーズランドで開催されたジュニア・オリンピック11歳-12歳区分で数種目で大会新で優勝するなど、個人の部で7個、団体で2個、計9個の金メダルを獲得するなどの快挙を挙げ、これに続けと魚津西部中学校1年生の生徒もジュニアオリンピックカップで好成績を挙げ「滑川温水プール」の名を一躍有名にしました。
これらのことを総合的に考えると「体力つくり指導協会」の経営努力には敬意を表したいと思います。

今後とも1人でも多くの人が「滑川室内温水プール」を利用することです。そして地域住民の健康づくりに貢献する施設として、愛され、親しまれる温水プールとなるため、行政・地域住民・協会が連携してゆくことが大事であると思います。

写真は、挨拶する佐藤理事長。温水プール外観と内部。

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