なかや一博 ブログ

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紅葉の称名滝

初雪の 高嶺を裂きてみ空より
      紅葉の中に 落つる大滝  昭和11年秋 川合玉堂

11月6日絶好の秋晴れの中 称名滝{標高1080m}の紅葉を見物に行った。
前日のテレビニュースで今が見頃、しかも最近にない美しさと報道された。その上6日の天気予報は晴れである。思い立ったら吉と早速出かけた。朝9時40分自宅を出発。走行距離約40㎞。滝が見え隠れするする辺りから目に飛び込んでくるのは、高さ約500m「悪城の壁{あくしろのかべ}」である。
称名滝が約10万年をかけて溶岩台地を侵食して出来たもので、一枚岩盤としては日本一の規模を誇るという。この岩盤にへばりつくように生い茂る赤、黄、緑のコントラストが美しい。圧巻である。駐車場まで約1時間。

ここから滝壷まで私の足で徒歩約20分。途中「飛竜橋」がある。この橋の袂に標記の川合玉堂の歌碑がある。玉堂は昭和11年10月末当時の浜加積村曲渕{現・滑川市曲渕}初代滑川市長赤間徳寿氏宅に一夜投宿し、「時雨さす、かづみの里に一夜寝て、今朝、立山に仰ぐ初雪」この歌を残し称名滝へ向かった。

この歌碑は赤間邸中庭に、拓本は東部小学校校長室に軸装され保管されている。私が称名滝へ行った6日には10月末に降った初雪がハンノキ滝の上部に残っていたので、玉堂も多分初雪と紅葉の中に落つる大滝を、前述した名歌として残したのであろう。と勝手に想像しながら私もその名歌を復唱し暫し感慨に浸った。
飛竜橋を渡ればいわゆる「八郎坂」である。アルペンルート開通前の立山登山はここから始まって弘法に至る約2,5㎞の登山道である。大正13年に開かれ、往年の名ガイド佐伯八郎の名に因んで命名されたという。残念ながら最近は通行止になっている。

さて、称名滝は日本一の落差350mを誇る日本を代表する滝で「日本の滝100選」に選ばれている。滝の音が称名念仏を唱えているように聞えたことから名付けられたという。

案内板によれば、「称名滝は、立山に源を発する称名川の流れは、立山の大噴火による溶結擬灰岩をV字型に150mも深く侵蝕した称名廊下の末端から落下する大瀑布である。この滝は四段に分かれ、第一段は40m、第二段は58m、第三段は96m、第四段が126mでこれが連続して1条の滝になり最上部の爆流落差30mを含め、その全落差は350mを有している。また直経約60m、水深6mの滝壷に落下する水は、凄まじい自然の力を誇示している。

称名滝を含む称名峡谷は、自然景観に優れ、学術的価値も高く、保護すべきものとし、国の名勝及び天然記念物に指定されている。」
ハンノキ滝は、称名滝の向って右側にある落差500mの大瀑布。融雪期や降雨時に出現し、称名滝と一対となって流れ落ちる様は勇壮である。ただ年中流れ落ちていない為、滝とは認定されていないという。
それにしても、紅葉はその年の天候に随分左右されるが全国的に今年の紅葉は良かったと云われる中、称名滝の紅葉も素敵であった。

僅か車で1時間程度でこんな素敵な所があるとは、富山県はいいなーと思う。そう言えば、わが家を7時に車で出発し立山駅からケーブルで美女平。高原バスで室堂へ。10時には到着。2時間夏山スキーを楽しみ、12時から昼食。13時下山し16時岩瀬浜で海水浴が出来る。夏山スキーと海水浴を同時に楽しめる。こんなところは全国を見てもないと思う。
やっぱり富山県ていいなーと改めて思う。

写真は、悪城の壁と紅葉.川合玉堂歌碑。称名滝とハンノキ滝。

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