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滑川高校同窓会入会式

2月28日富山県立滑川高校同窓会入会が行われた。どの学校も同じと思うが卒業と同時に入会となる。
本校の場合は卒業式の前日に毎年行われ、今年は197名が新たに加わった。現在、会員は約3万4千人を数え県下でも最大規模を誇り、プロ野球ロッテマリーンズの石川渉投手をはじめ、多くの有意な人材が各界で活躍しておられることは嬉しい限りある。誰にも生まれ育った「故郷」があり青春のひと時を過ごした母校がある。

中でも青春の中心的舞台は学校生活であり、多感な学校生活を回顧する時、追憶の中から懐かしい思い出が去来し、哀歓彷彿として思い浮かび固い友情に結ばれた出会いと別れ、という青春の讃歌が鮮やかに蘇る。
しかし、学生諸君に同窓会と言ってもピンとこないと思う。私は、例えばロッテの石川渉選手は、時として魚津市出身と書かれる。間違いではない。
しかし、滑川高校関係者は、石川選手は滑川高校出身と反論する。これが、同窓生であり、同窓会である。と生徒諸君に話しました。
いつの日か「故郷」や「母校」がそれぞれの心の拠り所として、生き続けることを念じて・・・・

もう一点、私は福沢諭吉の「学問のすすめ」の話をしました。197名の生徒諸君に「福沢諭吉」を知っていますか。と壇上から問い掛けたところ、知っていると手を挙げた生徒は、約三分の一程でした。私は、思わず、知っている人は多分財布の中に一万円札を入れたことのある人だろうと思わず発言しましたが、意外に少なかったのには驚きました。

「学問のすすめ」は諭吉の故郷、大分県中津に学校を開くに当って故郷の人達から、子供達に役に立つ本を書いてほしい。との要望に応じて、「何故学問をすべきなのか」、ということを示そうと書かれたものである。
明治5年第Ⅰ篇が書かれたが、ある人がこれを読み「この本を中津の人だけに見せるのは勿体ないから広く世間に公表すべきでないか」という勧めに応じ、明治9年まで計17篇発行した。これが明治13年1冊の本となり合本「学問のすすめ」となる。初年の発行以来9年間で70万冊も売れ当時の大ベストセラーとなった。

さて、この本で特に有名な言葉が冒頭「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。神が人を生じせしめた時から、皆平等である。」とある。広く世に知られた言葉である。
しかし、人間社会を見渡すと、賢い人も愚かな人もいる。貧しい人、金持ちもいる。また、社会的に地位の高い人も、低い人もいる。こうした雲泥の差とも呼ぶべき違いはどうしてできるのだろうか。
それは、人は生まれた時には、人は同じ権利を持ち、生まれによる身分の上下はない。当然、貴賤や貧富の区別はない。と言う意味である。

つまり、しっかり学問をして、物事をよく知っているものは、社会的地位が高く、豊かな人になり、学ばない人は貧乏で低い人となる。
ただ、学問と言っても地理学もあれば物理学、経済学、歴史学など色々な学問がある。まず、人生に役に立つ学問、自分が所属している組織に役に立つ学問、、社会に貢献出来る学問などがを学ぶべきと言っている。

結論として、公に奉仕する公務員だけでなく、大会社で身を立てたい人も、独立して会社を興そうとする人も、すべての人の志が鼓舞され、心を掻き立てられるのが学問である。
「学問のすすめ」はこの様に書いてあることを紹介して、学問の大切さを話しました。
150年前と現在と同一に論じられないと思うが、今でも通用する言葉と思う。
私自身も若かりし頃、もう少し勉強しておればと、反省しても時すでに遅しです。

社会人になる人、進学する人、歩む道はそれぞれ違っても、洋々たる前途が輝かしい未来であることを祈念して、激励と同窓会入会の歓迎の言葉としました。

写真は、挨拶と記念品贈呈風景。

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