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滑川室内温水プール

裏庭に 膨らむ 今日の芽吹きかな

北陸地方を襲った寒波も峠を越し、我が家の裏庭の残雪の割れ目から、蕗の薹の蕾が顔を見せるなど、春の訪れを感じさせる季節となりました。 先日、ある市民の方と滑川温水プールについて話をする機会がありました。 その方、言わく、利用料金が安くならないか?であります。私は、はっきり言って反対しました。

現在の温水プールの利用料金は、 大人420円 高校生250円 4歳以上の子供120円

ちなみに他の施設はというと 市民交流プラザあいらぶ湯 大人620円 小人310円 タラソピア 大人850円 小中学生は毎月第四土、日のみ利用可で、小学生400円 中学生600円

各施設には、それぞれに回数券や高齢者の割引制度など独自の企画があります。さて、料金が安いか、高いかは、そもそも施設の目的も利用者の利用満足度も違う訳ですから、一概に金額だけでは論じられないと思います。 ただ、自らの健康は、自らが守る。当然のことと思います。病院は病気になって始めて行きます。しかし、人は健康を長く維持するために、医薬品や健康食品、或いは、トレーニングジムを利用したり、食生活で改善を図ったりします。様々な対応がありますが、やはり、それ相応の対価が必要です。 そこで、本市に現在の室内温水プールが建設された経緯について多少記しておきます。

平成4年頃から市内の水泳関係者を含め、2万人をこえる署名を添えて市、当局、市議会に「市営温水プールの建設」の陳情が行われた。昭和60年に滑川市総合体育館、平成3年武道館が建設されました。他市にあって本市に無いのは温水プール。そんな思いが陳情活動に繋がったと思われます。当時はバブル経済の真っ只中、全国各地の自治体が地域活性化の名のもと、競うようにハードな施設の建設ラッシュです。竹下首相のふるさと創生として、全国3300余の自治体にそれぞれ1億円を配ったのもこの時代です。国も地方も多少財政に余裕がありました。現在と比較すると実に羨ましい限りです。
しかし、本市は滑川中学校と早月中学校の2校の新築を計画しており、建設費は一過性であるが、問題は年間の維持管理費です。当時の試算では3500万円から4500万円程とされました。果たして本市の財政で毎年これだけの支出に耐ええるか?これが議論になりました。そんな時、全国各地で温水プールの運営に携わっているのが、公益財団法人・体力つくり指導協会{事業本部・東京都江東区大島1丁目2-1}でありました。

当時の理事長は日本レスリング協会の笹原正三氏であり、その人脈の中に現在滑川市名誉市民の福田富昭氏がおられ、そんな縁でこの協会に運営を委ねる話が持ち上がりました。 その結果、市内に温水プールがないことも考慮し、準市民プール的な存在とし、幅広く市民に利用できるように要望を付け、土地は無償貸与とし、建物は体力つくり指導協会が建設し、市は、その建設費の48%の補助と、運営管理補助金を出すこととした。

当時の資料を見ると
・竣工式、施設オープン平成6年7月6日
・建設費 総費用444,960千円 ・市の補助 213,580千円(約48%)
・市の運営管理補助金  年間13,440千円 ・利用料金 大人300円
・プール 25m×7コース、水深1,2m 室内温水プール
・子供から大人までの水泳教室も開催する

厚生連滑川病院も準市民病院的な施設として、市より補助金が出ています。温水プールのような建設、運営方法は近年では氷見市民病院があります。病院の建設費は氷見市が負担し、管理運営は金沢医科大学がおこない、温水プール同様に市が補助金を出すものです。 この様な経緯を考える時と、もし利用料金を下げると片方運営管理補助金の引き上げが求められる可能性も出てきます。それでなくとも平成6年から今日まで25年余この間補助金は全く同額です。
しかも、燃料の灯油が平成6年は1㍑約50円が平成29年には1㍑約90円と上昇しています。消費税も当時の3%から現在では8%になり、当然のことながら賃金も、また、各種の維持費も25年間の間でそれなりに上がっていると思います。
しかし、利用料金の300円が20年間続き現在の420円になったのは平成26年です。
別に、私は、協会の肩を持つわけではありませんが、これだけ長期間運営管理補助金や利用料金が据え置かれて来たのが不思議なくらいです。仮に、補助金が上がるとすれば、その差額分は当然のこと市民の税金が投入されるわけです。

いずれにしても、市直営のプールであったら運営管理費は協会への補助金の数倍になることを思うと、全体的に見て利用料金の420円は止むを得ないと思います。 反面、体力つくり指導協会の経営努力は相当なものと思います。
その為にも1人でも多くの市民がプールを利用することです。そして、市民の健康づくりに貢献する施設として、愛され、親しまれる温水プールとなるため、行政、市民、協会が連携してゆくことが大事であると思います。

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