新米の、其の一粒の、光かな 虚子
県立水墨美術館で開催中の、花鳥風月・こころに響く美の世界{光ミユージアムの名品より}と、高岡市美術館での勝興寺展を鑑賞しました。
パンフレットによれば「光ミュージアムは岐阜県高山市にあり、平成11年4月に開設された中部地方最大級の博物館・美術館の複合施設です。
太古の化石資料から古代文明にまつわる遺物、古画、浮世絵、日本画、書、洋画、工芸、現代美術など、収蔵内容は多岐にわたり、なかでも近代日本画、浮世絵、書、を軸とする美術コレクションは、質、量ともに国内有数のコレクションですが、これまでまとまった形で紹介される機会はありませんでした。
本展では、「花鳥風月」の主題のもと、光ミユージアムが所蔵する近世から現代までの日本画の名作を中心に、書や陶芸を加えて代表作の数々を紹介します。そこには、四季折々の美しい風景や風物とともに生き、「花鳥風月」という言葉に託して謡いあげてきた、日本人の美意識を見ることができるでしょう。」と記してありました。
事実、その通りで私のような素人でも知っている人々の作品ばかりでした。例えば、村上華岳、速水御舟、前田青邨、横山大観、川端龍子、郷倉千靭、児玉希望、東山魁夷、歌川広重、上村松園、鏑木清方、伊東深水、竹内栖鳳、葛飾北斎、谷文晁、小杉放庵、橋本雅邦、菱田春草、下村観山、川合玉堂、加山又造などの作品が約50点が一堂に展示してあるのだから圧巻でした。
次に、勝興寺展ですが、かって、越中の国府が置かれていた高岡市伏木古国府にある浄土真宗本願寺派の勝興寺は、本堂をはじめとする建物12棟が重要文化財にに指定されています。
本堂から本坊へと続いた約20年にわたる「平成の大修理」も完了間近となり、いよいよ、本坊を一般公開する運びとなり、これを記念して、この度の修理によって見えてきた勝興寺の魅力と同寺に伝わる絵画と工芸の美が今回、市美術館で紹介されたものです。
以前、同寺で拝観しましたが、勝興寺本、洛中洛外図屛風を含め貴重な品々や、勝興寺と加賀藩との関係などを再認識する良き機会でした。
芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋、と言われますが、新しい富山県美術館もオープンし、芸術に触れる機会が随分と増えました。また、スポーツにしても2月の冬季オリンピックから今日まで途切れることなく開催される各種のスポーツ大会、また、食欲の秋、にしても本来、実りの秋、それ故に、食欲の秋と表現されたと思います。
しかし、今や、四季関係なく色とりどりの果物が食卓に溢れ食欲をそそる時代である。秋を表す三つ形容詞も死語となりつつあるように思うと一抹の淋しさを禁じ得ない。