初雪の 高嶺を裂きて み空より 紅葉の中に 落つる大滝
(昭和11年秋 称名滝にて 玉堂)
紅葉前線は北から南、山から里へ下り始め、丁度、称名滝付近も見頃を迎えた11月3日第31回全国健康福祉祭富山大会は「-夢つなぐ、長寿のかがやき富山から―」をテーマとして富山県総合運動公園陸上競技場で総合開会式が遥かに立山連峰を仰ぐ秋晴れの下、開催されました。
尚、第1回大会は昭和63年兵庫県で開催されました。
今回の、大会目標を
①「生涯現役社会」につながる高齢者が、いきいきと輝く大会
②「健康寿命」延伸への気運を高める大会
③「地域共生社会」を創る交流とふれあいが広がる大会
④自然、伝統、文化、産業、食など「富山県の魅力」あふれる大会
⑤「おもてなしの心」で「温かみ」のある大会
を掲げ、県内15市町村で過去最多の27種目で交流が深まる熱戦が繰り広げられました。参加資格は60歳以上ですが、他の大会と決定的に違うことは、目的にある通り、高齢者が中心であり「生涯にわたって、健やかで、心豊かに生活することができる、社会づくり」にあります。
その為、20近い交流会が企画されました。例えば、文化、交流大会では、囲碁、将棋、俳句、川柳、健康マージャン大会などもあるなど正にねんりんピックならではの種目です。
さて、総合開会式の中で今回の参加選手の最高年齢者は93歳であることがアナウンスされると大きなどよめきが起きました。
午後、私も関係者の一人である弓道競技の開催地射水市のアイザック小杉文化ホールでの弓道開始式に出席しました。1チーム5名{男女混合}補欠、監督計7名の70チームの参加者。加えて大会役員や高校生などのボランティアなど700名を越す人々で溢れました。
岡本仁、県弓道連盟会長挨拶、夏野元志、射水市長挨拶、高橋久和市議会議長歓迎の挨拶、次に、特別表彰に移りました。
最初に、最高齢者賞{男女各1名}女性は千葉県の選手で93歳。男性は静岡市選手で87歳。実は総合開会式で全参加選手の中での最高齢者として紹介された方は弓道競技に参加した千葉県の方だったのです。とすれば、せめて総合開会式の折、弓道競技の参加者であるぐらいは紹介してほしかったです。
しかし、会場で93歳と87歳のお二人が紹介され、壇上に上がられた時は、大きな拍手で会場が包まれました。賞状と盾に加えて射水市から特別賞として、越の紅カニ{紅ズワイガニ}の大きなパネルが贈呈され本物は後日郵送されるとのことでした。しかし、これには会場は再び大きな拍手とどよめきがおきました。
次いで、高齢者賞として最高齢者受賞者を除く参加選手の高齢者{男女各3名}いづれも80代半ばの方々に賞状と盾。最後に、射水市が誕生した11月1日生まれの方が参加者の中に唯一人おられ、その方に白エビの大きなパネルが贈られ、本物は後日郵送するとのことでした。ねんりんピックゆえの風景でした。年齢に応じて楽しめるスポーツとしてゴルフがありますが、むしろ弓道がそれよりも上でないかと改めて思いました。
射水爆笑軍団の寸劇もあり、和気あいあいの開始式でした。
翌、4-5日交流大会は熱戦を繰り広げ的中数上位16チームが予選通過。トーナメントで決勝戦を行い、優勝、埼玉県、二位福岡県で大会は盛会裏に終えて幕を閉じました。残念ながら富山県チームは予選敗退。尚、93歳の女性の射は背筋を伸ばし、年齢を感じさせない立派な射でした。
それにしても、大会開催まで何度も打ち合わせをし、準備をし、大会期間中は早朝7時より夕方7時過ぎまで運営に携わられた岡本会長始め、県弓連の方々、高校生の方々、ボランティアで参加された多くの方々のご尽力なくして大会の成功はなかったと思います。
改めて各位のご尽力に敬意と感謝を申し上げます。
また、弓道関係者の一人として、何のお手伝いも出来なかったことに対して申し訳なく思っています。6日、私用で上京のため富山駅に行ったところ、ねんりんピック参加者でごった返していました。
私は、数人の人々にねんりんピック富山大会の感想をお聞きしましたが全員「富山に来て良かった」と言ってくれました。弓道参加者には聞けませんでしたが多分同様の感想だったと思います。いづれにしても大会の目的は概ね達成されたと思います。
写真は、総合開会式。アイザック小杉文化ホールでの開始式での岡本会長の挨拶。富山県選手。