なかや一博 ブログ

日別アーカイブ: 2024年8月1日

ネブタ流し

散れば咲き 散れば咲きして 百日紅  加賀千代女

猛暑 炎暑の中で 散っても 散っても咲いてくる百日紅のパワーには驚くと同時に、なんとなく元気を貰うような気がする。

さて、滑川の伝統行事であり、国の重要無形民俗文化財である「ネブタ流し」が7月31日夕方、滑川市の中川原海岸{和田の浜}で行われ、多数の見物客が炎を眺めながら無病息災を祈った。
ネブタと言えば、竹や木を使って紙貼りや、武者人形、鬼、鳥獣などを作り、中に灯をともして屋台や車に乗せて練り歩く青森や弘前{ネプタと称す}を思い出す。

しかし、滑川の場合は、藁などを材料にして7mー8mの円柱状に製作されたた大たいまつを、「筏」に乗せて、火をつけて海に流し、眠気やけがれ、病気をネブタに託し,火と水で消し去ろうと云う願いが込められていると云う。
中川原、吾妻町、常磐町、滑川青年会議所、滑川商工会青年部など10団体のネブタ11基のネブタの頂上に次々と火が付けられ、海に入った住民がネブタを乗せた筏を沖へ流す壮観な行事である。

沈む夕日と燃え上がるネブタ。一幅の絵になる風景である。
「滑川の民俗」上78頁によれば、「かって神家町、加島町、高月町でもあった。また、明治前期の頃までは、6月30日に行なわれていた.この他、7月31日には水遊びをしたり、女性が洗髪すると風邪をひかないとか、この日以降、昼寝をすることをとがめられたと云う伝承もあった」と記してある。

全国的にみると、この行事は東日本に多く、滑川はその南限と言われている。いずれにしてもネブタの形態は違っても、その目的は、人々の、体についた汚れを流し身を清め、無病息災を祈願する「禊払い」であろう。

写真は、滑川の「ネブタ流し」
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