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冬季オリンピック北京大会

第24回冬季オリンピック北京大会は、2月22日、17日間の祭典が幕を閉じた。
それにしても、今回の大会ほど物議を呼びIOCが批判された大会はなかったと思う。

新型コロナウイルス禍の中に、米英諸国の「外交ボイコット」をものともせず、中国ならではの強権的手法で感染拡大を封じ込め、選手の言動やマスコミの取材活動を制限し、新型コロナウイルス対策の「バブル」を巧妙に活用し、人権活動家抑圧や格差問題など中国の負の側面を世界の目から覆い隠し、オリンピックを政治的に最大限利用した。

また、スノーボードの不可解な採点。スキージャンプの規定違反により続出した失格者。「またロシアか」と言われた15歳のカミラ・ワリエワのドービング問題。現在、ロシアはこの問題でオリンピックへは、国家としての参加は認められず,ROCとして参加しているのである。その為、1位に入賞しても、表彰式では、国旗の掲揚や国家の演奏はなく、代わりにROCの旗の掲揚とチャイコフスキーの曲が流れるのである。

しかし、プーチン大統領は、国家としての参加は認められていないにも拘わらず、開会式に招待され、他の外交団とは別格の待遇で大歓迎を受けた。
そして、米英などが弾圧と批判するウイグル族の選手を開会式の聖火リレー最終走者に起用するなどして、大会成功と国家の威信をアピールした。
また、中国の元副首相に性的関係を強要されたと訴えた同国女子テニスの件も真相が解明されないまま幕が降りたような気がする。スエーデンの金メダリストは、帰国後、人権問題を抱える中国での開催を決めたIOCを「極めて無責任だ」と断じた。

北京にバッハ会長の胸像が建てられた。また、ノーベル平和賞を狙っている、との噂もある。
しかし、バッハ会長はドーピングのロシアに対しても、人権問題や政治問題を持ち込まないとする中国に対しても弱腰であり、臭い物に蓋との考えが見え隠れする。この際、オリンピックの原点に帰り今後、どの国の政治家も一切招待しないことと、商業主義をもっと薄めるべきと思う。

そんな中での開催であったが、アスリートたちのひたむきな姿勢は東京オリンピック同様多くの国民に感動と希望を与えた。
私は、メダル至上主義者ではないが、前回のピョンチョンオリンピックの13個を上回る金3個、銀6個、銅9個、計18個のメダルを獲得した。
取り分け、スピードスケート女子高木美帆さんは5種目に挑戦し金1個、銀3個。前回五輪と合わせ7個は夏も含めて日本女子の最多メダル数の記録となった。

また、カーリング女子は決勝で敗れたとは言え、銀メダルを獲得したロコ・ソラーレのメンバーの笑顔。メダルは獲れなかったが、羽生結弦選手の爽やかな記者会見。高橋沙羅選手の謙虚な姿。など感動を与えた選手はこれ以外にも沢山いた。
改めてスポーツの持つ「力」を感じた。そして、20日閉会式は控え目な演出の中、4年後のイタリア、ミラノ・コルティナダンペッツォへと大会旗は引き継がれ、舞台は3月3日開幕のパラリンピックへと移る。

閉会直後の22日ロシアはウクライナ東部の親ロシア派が実効支配する「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を名乗る2地域の独立を承認する大統領令に署名した。2014年ロシア・ソチで冬季オリンピックが開催中クリミヤに侵攻したのと同じパターンである。中国・習近平はこれを注視しながら、パラリンピックを成功させ秋には3選を果たし、ウクライナに対して弱腰外交の米国、機能不全の国連を尻目に、タイミングを見て、台湾有事、そして尖閣諸島、日本有事であり絶対ないとは言えない。
有事は平時に考えておくべきである。有事の時に議論していても間に合わないのである。

写真、銀メダルのロコ・ソラーレのメンバーと閉会式

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