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広貫堂資料館

頑なに 富山売薬 春の風邪  片桐久恵

桜前線も日本列島を北上中で、間もなく富山県内にも開花宣言が出る季節の中3月25日{金}廣貫堂本社敷地内にあった売薬資料館が62年間の歴史に幕を閉じ閉館することになり最後の機会として訪ねた。
資料館は昭和35年{1960}に開設された「売薬資料館」が平成6年{1994}現在の建物にリニューアルオープンし、富山市の観光拠点の一つとして知られ、県内外の観光客が多数訪れ、1980年代には、年間約3万人が来館した。
しかし、コロナ禍で昨年は約5千人にとどまった。これも要因の一つとなり今回閉館となった。

しかし、展示内容は素晴らしいもので
①大型スクリーンの映像で紹介するシアター
②富山のくすり百選コーナー
③生薬コーナー
④伝統和漢薬コーナー
⑤お土産コーナー

などのほか、越中富山の薬売り、300年を超える歴史を物語る貴重な資料や道具等を集め展示してありました。
生薬コーナーには、六神丸の原料となる、牛黄、センソ、ジャコウ、熊の胆、沈香、人参等を始め、昔からよく使われている代表的な生薬の実物サンプルの展示してある。

特に、多分現存する最古の懸場帳{元治元年{1864}や前田正甫公自筆の「反魂丹」の扁額、或は、元禄3年{1690}の江戸城腹痛事件を再現したジオラマなど、正に、明治9年創業以来150年余県内の代表的な老舗メーカーとして「くすりの富山」をけん引して来た廣貫堂ゆえに建設された資料館であつたと思う。時の流れとは言え誠に残念なことである。

また、大正天皇の行幸、昭和天皇、皇后の行幸啓、現上皇、上皇妃の皇太子時代のご視察など数多くの皇族のご視察記録や写真集なども展示してあった。
さて、これらの貴重な資料は今後どうなるのか。

現在、資料館として県民会館分館金岡邸、富山市立売薬資料館、滑川市立博物館に売薬資料常設展示室がある。また現在議論が停滞している富山城址公園内に「くすりミュージアム」建設構想がある。いづれにしても、展示品は散逸することなく、何処かで保管、展示されることを願うものだ。私自身何度も足を運んだ施設であったので、これが最後かと思うと、やはり一抹の淋しさを禁じ得なかった。

写真は、元治元年の懸場帳、前田正甫公園自筆の扁額「反魂丹」、江戸城腹痛事件ジオラマ。

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