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旧・奈良県知事公舎

関西滑川会の翌日、7月7日現地に住んでいる甥っ子の車で、早朝8時半頃から、旧・奈良県知事公舎を見学した。この建物は築100年余りの純木造和風建築で、現在は建物は県所有で、民間業者によりホテルとして活用されている。それゆえ、恐る恐るフロントで見学をお願いしたところ、意外にも簡単に許可が出た。廊下を歩くと窓越しに朝食中の宿泊客が目に入る。実は此処を訪ねたのは目的があった。

1951年{昭和26}11月18日、参議院本会議では、衆議院に続いて2条約が承認され、当時首相であった、吉田茂は会議後に批准書に署名を行いました。憲法の規定で天皇の署名も条約締結には必要のため、当時の官房副長官 剱木亨弘{けんのきとしひろ}が奈良に行幸中であった昭和天皇の元へ赴きました。翌19日、昭和天皇が滞在中であった奈良県知事公舎にて、ご帰還を待ち、

昭和天皇がお戻りになった夕刻時に、天皇は侍従長だけを伴って部屋に入り
「裕仁」と署名をしました。その部屋が「御認証の間」として、当時のまま保存されており、ここを見学するのが目的でした。広さは10畳程度とさほど大きくはありません。洋室ですが格天井と格式の高い造りでした。

部屋の入口に
「日米安全保障条約・サンフランシスコ講和条約 批准書御認証の間」

と書かれた案内板があり、歴史を追体験したような感じでした。

隣の部屋はもう少し広く、やはり格天井でした。中庭も散策しましたが、手入れの行き届いた日本庭園として整備されていました。富山県知事公舎は中沖知事時代に廃止され、その跡地に、現在の「古志の文学館」が建設されました。フロントで宿泊料金を尋ねたところ、最低一泊10万円位からでした。

写真は、旧・奈良県知事公舎前、批准書御認証の間。

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