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古稀

平成27年、2015年はすでに地平線下に沈み、ここに、平成28年、2016年の幕が上がりました。
いつも、この時期になると思うことですが、過ぎし一年間を振り返り、新しい年に想いを馳せるのは私一人ではないと思います。しかし、そんなことを考える動物は人間だけです。オランウータンやチンパンジー或いはゴリラでもそんなことは考えもしないでしょう。

何故か?それは、人類が悠久の時の流れに節をつけたからだと思います。
大晦日に飲む水道水も元旦に飲む水道水も、味は変わらない筈です。しかし、元旦に飲む水はどこか清々しいし、美味しいような気がします。
それは、時の流れに節を付けたからです。60秒で1分、60分で1時間、24時間で1日、30日或いは31日で1ヵ月、12ヵ月で1年、これらに加え、年中行事、二十四節季、雑節等、正に時の流れに1つの区切りをつけました。これによって人類は心を新たにすることも、生活にリズムを持つことも、農作業のメドを立てることや、何よりも人生そのものにメリハリを付けることができるのです。

故に、人類は万物の霊長と言われる所以でしょう。確かに、人類は核兵器を開発したり、月へ人間を送り込むなど、文明の発展に多大な貢献をしてきました。しかし、それは産業革命以後、約200年位の間でのことです。
しかし、人類はそれより遥かに以前に悠久の時の流れに節を付けました。
そして、文字や暦や時刻を考え作りだしました。改めて人類の凄さを感じます。しかしその万物の霊長たる人類の最も愚かな行為はやはり戦争です。今年も世界各地でテロや局地的紛争が起きるでしょう。一日も早い世界平和の訪れる日を望むものです。

さて、私は今年数え70歳。いわゆる【古稀】を迎えました。これを記念して地元の加積雪嶋神社へ、氏子有志10名で絵馬を奉納しました。
次は77歳いわゆる喜寿。健康に留意し再会を約束し散会しました。

さて、「人生七十古来稀」 唐の詩人、杜甫(712年-770年)の漢詩「曲江」に由来しています。同時代に李白(701年―762年)又、746年(天平18年)越中の国守に赴任した大伴家持が居ます。

「曲江」(杜甫)
 朝回日日典春衣 朝(ちょう)より回りて日日春衣(しゅんい)を典し
 毎日江頭尽酔帰 毎日江頭(こうとう)に酔いを尽くして帰る
 酒債尋常行処有 酒債尋常、行く処に有り
 人生七十古来稀 人生七十古来稀なり
 
 以下中略

私の好きな漢詩の一つです。この時代の平均寿命は何歳だった?わかりませんが70歳と言えばやはり稀だったのだと思います。

「元旦や 必ずくるぞ 大晦日」そんな句を思いながら気を引き締めて1年を送りたいと思っています。

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<奉納した有志一同>

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<奉納した絵馬>



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