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浄瑠璃寺と岩船寺

22日午前浄瑠璃寺と岩船寺を見学した。
両寺共、京都の最南部にあり行政区域は京都府ですが、奈良県境まで約200mと近く、それゆえ、この一帯は古来より南都{奈良}仏教の聖地として大寺の僧が世俗の喧騒を離れ、修養,研鑽のため出入りした地域で、奈良仏教を色濃く反映した寺であった。

浄瑠璃寺は平安時代後期[藤原期}の日本が生み出した池を中心とした浄土式伽藍で、ただ一つ完全な形で残っている寺である。即ち西方極楽浄土の阿弥陀如来を西に、東方浄瑠璃浄土の薬師如来を東に、中央には宝池をおいて美しい浄土を現出している。
しかも、西の阿弥陀如来は、これも現在ただ一つになった九体仏である。九体仏とは、一つのお堂を厨子に見立て、横一列に九体の阿弥陀如来を並べ、、藤原道長の時代に多く見られる。

しかし、現存するのはここ一か所のみである。又、特別名勝及史跡指定の境内には、多数の国宝や重要文化財など25の宝物が昔のままで守り通されている。

藤原時代の堂塔、仏像、庭園がまとまって存在するこの浄土式伽藍とは、澄みきった清浄の世界を云う。そして、太陽の昇る東方にある浄土の教主は薬師如来で、国宝三重塔は、秘仏薬師如来像{重文}が安置され、片や太陽が進み沈んでいく西方の池越しに、九体阿弥陀堂{国宝}があり、その中の中央に大きな九体阿弥陀如来中尊像{国宝}が安置され、その左右にそれぞれ4体の阿弥陀仏{国宝}安置されている。

つまり、太陽の沈む西方浄土へ迎えてくれる阿弥陀仏を西に向かって拝めるよう東向きにし、前に浄土の池をおき、その対岸から文字通り彼岸に来迎仏を拝ませる形にしたもの{パンプレットより一部抜粋}、特に今回秘仏の薬師如来が彼岸の時期ご開帳とのことで拝観出来ました。又、たまたま団体客が来たことで、住職ご本人がガイド役になって平易に解説して頂いたことは幸いだった。

その後、岩船寺にも立ち寄ったが浄瑠璃寺と重なる部分が多々ありましたので割愛します。三泊四日の旅であったが、前半は幕末の激動期、後半は民の苦悩を救うみ仏との対話。まったく対照的な見学地であったが心に残る旅であった。

昼食後、木津駅から富山へ。夕方安着。走行距離1200㎞以上を一人で運転してくれた甥に感謝、感謝である。

写真は、秘仏薬師如来が安置されている国宝・三重塔。九体の阿弥陀如来が安置されている国宝・九体阿弥陀如来堂。

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