なかや一博 ブログ

日別アーカイブ: 2023年10月14日

芸術の秋パート3

市美術展会場を後にし、少し遅い昼食後、市内瀬羽町にある国登録有形文化財//ぼんぼこさ{-旧宮崎酒造}や有隣庵{/同文化財旧・土肥家}で開催されている
「酒蔵アート㏌なめりかわ2023」へ向かった。10回目となる今回、2名の作家が初めて出品する中、近年会期中に訪れる人も約1800人と年々増えていることは喜ばしいことです。

今年は、彫刻・写真・陶芸・木工・裂織{さきおり}・造形・華・書・絵画・インスタレーションなど22の個人・団体の力作、大作が出品されていた。このような多彩なアートと歴史ある建造物のコラボレーションが楽しめるとともに、瀬羽町の歴史ある街並みの魅力を発信し賑わいづくりにも繋がっている。

今回特に私の目を引いたのは「裂織」である。
作者の野村順子さんは、10周年記念誌の中で、裂織とは、「経糸{たていと}と主に綿、麻糸、絹を使用して緯糸{よこいと}に古布、着物地を細く裂いたものを使用する織物で、裂織の技法を作品作りに展開して、自然の輝きに呼応する思いで。」と書いておられる。
今回の出品は「紅絹の景色」と題し、真っ赤な裂織が大河のように横に流れる大作であった。

又、手繰明子さんの「希望の結び」はポリエステル入り紙、インクに、自分の希望を書き、ぼんぼこさの中庭の藤棚の藤に結ぶもので
ある。私も一枚書いて結んだが一瞬、七夕の竹に吊るす短冊を思い出した。中々面白いアイデアである。
又、阿波加蒼岳氏{富山県美術連合会会長}の書「立山に 曇沸きあがり 稲の花」美恵子の句 と「酒瓶ラベル」も良よかった。氏は記念誌の中で、「日頃、目にする素敵な言葉、心を打つ言葉など書作品を通して,我々の生活の中に活かされ、感動を与え、心の豊かさにつながっていってもらえばと日々研鑽しています」と述べられている。
他にも素敵な作品が沢山ありましたが紙面の関係で残念ながら割愛させて頂きます。

以上、芸術の秋と勝手に称し友人と3か所巡ってきた。芸術には無縁の私だが、もし、この世に芸術といった分野がなかったら,我々はどんな生活を送っているだろうか。考えたことも,想像したこともない。が、ふとそう思う。しかし、実に味気ない生活であることは間違いない。

それにしても、芸術とは、逞しい創造力と豊かな発想力が必要なことを考えるとやはり私には無理かもしれない。だからこそこのような機会に触れることで、少しでも心が癒され、且つ、心豊かな人生を。と願うものです。

写真は、ぼんぼこさ全景。裂織「紅絹の景」。「希望の結び」「美恵子の句」「酒瓶ラベル千代鶴」

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芸術の秋パート2

東部小学校を後にして滑川市博物館へ向い、第70回滑川市美術展を鑑賞した。
美術展はその名の通り、絵画34点、彫刻・工芸21点、書30点、写真30点と文字通り市美術協会の年に一度の一大イベントである。それ故、それぞれの部門に市展大賞、市展賞、市展奨励賞などがあり、作家の創作意欲を鼓舞し、励みにし、この様な機会を通してレベルアップをしてゆくのだろう。どの作品も力作・大作ばかりであった。

今回、70回目の市展ということは、市制が施行された時が第一回である。色んな団体や会があるが70年も続いているのは、数少ないと思う。そこで第一回市美術展開催に際し、寄せられた当時の赤間市長の巻頭言を紹介する。

「人生短く、芸術長し」というが、芸術を作るのが人間であってみれば、人生そのものも 又、芸術であるともいえる。人の集団共同生活体である、わが滑川は 今や市として発足し、自己をみづからの手で創り上げつつある。これ永遠を目ざす自己造形の芸術にあらずして何ぞや。この時にあたり市民の有識者が相はかり、相むすび互いの作品を批判鑑賞することは洵に有意義というべきである。冀い願わくば 滑川市美術協会が市の行政・産業・経済・文化等 あらゆるものを芸術的に建設する先駆者たらんことを。
【昭和29年8月 滑川市長・赤間徳寿】

格調の高い巻頭言である。

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